藤原兼子(卿局)の解説「後鳥羽上皇の側近」となった鎌倉時代の女性政治家




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目次 contents
  1. 藤原兼子(卿局)とは

藤原兼子(卿局)とは

藤原兼子(ふじわら の けんし)は、鎌倉時代前期に女性政治家として活躍した朝廷・公家女官であり、平安時代末期の1155年に生まれた。
2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では藤原兼子を俳優(女優・歌手)のシルビア・グラブさんが演じられる。
父は儒学者・学者として知られる刑部卿・藤原範兼。
兄弟に藤原範光、藤原俊季、藤原範重、藤原重季、経顕、経兼、藤原範子、藤原伊実の妻、藤原家輔の妻などがいる。
また、祖父・藤原能兼の妹は源頼政の母でもあり、父の弟・藤原範季が養育した。
更に祖母・高階為賢の娘は紫式部の玄孫にあたる。





1165年、父・藤原範兼が亡くなると、11歳の藤原兼子ら残された遺児は、叔父・藤原範季に養育された。

1171年、姉・藤原範子は平清盛の義弟・能円と結婚している。

1176年、叔父・藤原範季は九条兼実の忠実な家司でもあったが陸奥守となって奥州に赴任。

1180年、高倉天皇の第4皇子・尊成親王が誕生すると、叔父・藤原範季が養育にあたり、姪であった藤原範子・藤原兼子が乳母を務めた。

1183年7月、平家一門は安徳天皇と都を落ちた。
そのため、後白河法皇が動き、乳母を務める尊成親王が、まだ幼いながらも擁立されて後鳥羽天皇となった。
ちなみに、姉・藤原範子は、兄・藤原範光の説得を受けて京に残ったようで、夫・能円とは自動的に離縁状態となり、源通親(久我通親)に再嫁している。
かつて能円との間に生まれていた女児は養女に迎えられ、源在子と称して宮廷に入ると後鳥羽天皇の寵愛を受けた。
そして、1195年、後鳥羽天皇の第1皇子・為仁親王(土御門天皇)が誕生している。
1196年、朝廷で権力を誇っていた九条兼実は追放された。

藤原兼子は独身だったようだが、後鳥羽天皇から信頼され1199年、45歳で典侍となって院政に関わり女性政治家となった。
卿局(きょうのつぼね)とも呼ばれている。
その頃、藤原兼子は権中納言・藤原宗頼と結婚。

1202年、九条兼実が出家し、後鳥羽天皇の乳父として権勢を振るっていた姉・藤原範子の夫である久我通親(土御門通親)も死去。
こりにより、後鳥羽上皇の権力が高まっただけでなく、鳥羽天皇の寵愛は叔父・藤原範季の娘・藤原重子へ移っており、藤原兼子と兄・藤原範光は天皇側近として重用された。

夫・藤原宗頼は1203年に亡くなり、結婚生活は約3年ほどで終わっている。
そのため、女性ながら権勢を誇る藤原兼子に久我通資(久我通親の弟)などが近づきはじめたことから、すぐに藤原兼子は太政大臣・大炊御門頼実(藤原頼実)と再婚している。





1218年、熊野詣と称して上洛した北条政子は、源実朝の後継問題を藤原兼子に相談している。
藤原兼子の推挙によって、北条政子は異例の従三位に叙せられたほか、卿局の屋敷にて養育していた頼仁親王を鎌倉幕府の4代将軍に推薦した。

1219年、公暁によって源実朝が暗殺され、次期将軍問題が現実となると、後鳥羽上皇は頼仁親王の鎌倉下向を拒否して対立。
藤原兼子も政治の場から遠ざけられ、結果的に西園寺公経の意向により、摂関家の子・藤原頼経が次期4代将軍として鎌倉へ入った。

後鳥羽上皇の鎌倉嫌いはこれだけで済まず、1221年、鎌倉幕府打倒を目論んで承久の乱となると、鎌倉の総大将・北条泰時(39歳)は北条時房大江広元三浦義村安達景盛らを従えた討伐軍を派遣した。
その結果、後鳥羽上皇は隠岐へ、順徳上皇は佐渡へ配流となっている。

藤原範茂(藤原範季の次男)は首謀者として北条朝時が鎌倉へ護送した途中、川に沈められて命を落とした。(範茂史跡公園がある)
このように、藤原兼子らの一族も連座となったが藤原兼子は免れたようだ。

1224年、北条義時が死去すると、鎌倉では伊賀の方が実子・北条政村を次期執権に擁立しようと伊賀氏の変が起こっている。

しかし、後鳥羽上皇の復権はなく、没落した藤原兼子は寂しい余生を送った。
所領も没収されたほか、倉に強盗が入り財産も失うなど晩年は不遇だったようだ。





1229年、藤原兼子は病死。享年75。
通称は卿二位とも。

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