3分でわかる【文覚】文覚上人の解説(鎌倉殿の13人)~源頼朝に挙兵を促した僧侶

目次 contents
  1. 文覚とは

文覚とは

文覚 (もんがく)は、平安時代末期の僧侶で、摂津の渡辺党の遠藤茂遠(もちとお)の子として、1139年に生まれた。
僧になる前は、遠藤盛遠(えんどう-もりとお)と名乗っている。

文覚

若いころから、北面武士として鳥羽天皇の皇女・藤原統子 / 統子内親王(上西門院)に仕えた。
<注釈> 北面の武士(ほくめんのぶし)とは、京の朝廷にて、上皇を警衛した武士のことで、院御所の北面(北側の部屋)の下に詰めていた。源義朝(源頼朝源義経の父)も北面武士。
しかし、19歳で武士を辞めて出家し「文覚」と称した。



この出家理由は、従兄弟で同僚・渡辺渡(わたなべわたる)の妻である袈裟御前に恋をしたと言う。
<注釈> 袈裟御前も藤原統子に仕えていた女性だとされる。
そして、袈裟御前より「夫の髪を洗い、酒を飲ませて酔いつぶれさせて寝かせます。そこへ忍んできて討ってください」という言葉を受けて、渡辺渡を殺害しようと、夜中に屋敷へ忍び込んだが、誤って袈裟御前を殺してしまうことになる。
暗くてよく見えなかったのか?と思いきや、袈裟御前は、夫への操をたてるため、自分の髪を濡らして、夫の布団で寝ていたようで、その袈裟御前の思いを知った遠藤茂遠、武士を辞めて、出家し、菩提を弔う道を進んだようである。

文覚は、空海(くうかい)を尊敬しており、真言宗の僧となって、1163年から、荒廃していた、京都・高雄にある神護寺に住んでいる。
そして、神護寺を復興させようと、後白河法皇に荘園の寄進を強請したため、1173年に伊豆へ流刑となった。
<注釈> 当時の伊豆国は、遠藤氏の出身である渡辺党の棟梁・源頼政が知行していた。
伊豆では、近藤国高(近藤四郎国高)に預けられて、韮山近くの奈古屋に入ったようで、歩いて約1時間と近隣の蛭ヶ小島(ひるがこじま)にて、同じく謹慎していた、源頼朝と知り合いになる。
<注釈> 源頼朝は、約13年前の1160年から、伊豆に来ている。
当時の流罪は、京から遠くに追放すると言う感じで、生活は補償されており、近隣への遠出も自由だった。
源頼朝を経済支援していた乳母・比企尼が、文覚と引き合わせたとされている。



1178年に、文覚が許されて帰京するまでの約5年間の間に、滝山不動堂(山本判官屋敷の裏山)や、函南(かんなみ)にあった比企尼の屋敷近くの伊豆・高源寺などで、何回か、会談を重ねた模様。

1179年、平清盛が、後白河法皇を幽閉したのを批判しており、文覚は、伊豆の源頼朝に平氏打倒を勧めたとされる。
1180年、文覚が公卿・藤原光能(中原親能の父?)に働きかけて、後白河法皇が、平氏追討を命ずる院宣(いんぜん)を出すと、源頼朝に挙兵を促した。
もしかしたら、足立遠元安達盛長・中原親能・大江広元などは、文覚が見出した武将だったのかも知れない。
そして、1180年、源頼朝は挙兵を決意し、北条時政工藤茂光土肥実平岡崎義実、天野遠景、佐々木盛綱、加藤景廉らを動かすと、伊豆国目代・山木兼隆を討った。

以後、1183年頃より、文覚は、後白河法皇や、鎌倉に入った源頼朝から、寺領の寄進を受けるようになっており、神護寺の堂宇が1190年頃には、完成している。
また、京では、鎌倉幕府から派遣された中原親能などによる、朝廷交渉の仲介役も、文覚が果たしている。

1185年、北条時政の捜索によって、平維盛(たいら の これもり) の子である平六代(平高清、六代御前)が捕らえられると、文覚上人が助命嘆願を行い、助けている。

更には、播磨国を造営料国として受け、空海の古跡である東寺(とうじ)の復興にも尽力したほか、高野山大塔、東大寺、江の島弁財天などの建物も修復した。
しかし、1192年に後白河法皇が死去、1199年にも源頼朝が没すると、文覚を支援する者がいなくなり、内大臣・源通親(みちちか)の策謀にハマって三左衛門事件に連座し、佐渡島に流されている。



1202年、源通親が死去して、許されると京に戻ったが、1205年、後鳥羽上皇に謀反の疑いをかけられ、今度は、対馬への流罪が決定した。
そして、対馬に向かう途中、鎮西(ちんぜい) / 九州にて死去。

謎の僧・妖僧ともされた文覚。
2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、俳優・歌舞伎役者の市川猿之助さんが、文覚を演じられるので、楽しみだ。

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